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Album Review:ONE OK ROCK『35xxxv』 USメインストリームとの融合が進んだバンド最高傑作が告げるJ-POP変化の時

 2014年は世界的にはファレル・ウィルアムズの年だったと言われる。そしてこの2月の状況を見ていると、2015年はサム・スミスの年になるのかも知れない、と思う。翻って国内のシーンについて昨年から今年の動向を考えた時、そのキーマンは、昨年惜しくも来日公演がキャンセルとなってしまったスウェーデン人プロデューサー、アヴィーチーなのではないか、と思う時がある。


 アヴィーチーの大ヒット曲「ウェイク・ミー・アップ」が世界的なヒットを記録したのは今から2年前の2013年。まさしくその年は彼の年だったと言える。だが、「ウェイク・ミー・アップ」はEDMと呼ばれるダンス・ミュージック・ムーブメントが頂点を極めたことの象徴であったと同時に、終焉の狼煙でもあった。もちろんEDMのブームは今でもまだ続いてはいる。でも、確実にあの頃の勢いは失った。「ウェイク・ミー・アップ」が世界を驚かせたあの頃を起点に、“ポストEDM”を探そうという動きは確実に顕在化し、そして、それは今も続いて世界(英米圏のシーン)を書き換えている。同年のグラミー賞を征したのが、脱EDMを掲げたダフト・パンクであったことをここで思い出して貰ってもいいだろう。


 「ウェイク・ミー・アップ」が象徴的だったのは単にタイミングの問題だけではない。あの曲は、それが世界的に最もヒットしたEDMの“トラック”でありながら、カントリー風のメロディや大陸風のドラムスにはっきりと古典的なポップスとの繋がりを感じる“ソング”でもあったからだ。言ってしまえば、あの曲自体が、ポップ・ソングとEDMの融合という形で“ポストEDM”を身を持って提示していた、という皮肉がそこにあった。


 あの曲を雛形として、しかも、EDMとは全く異なる文脈から自分たちのポップ・ソングを作り出したのが、そのアヴィーチーと組んだリッキー・ロメロと組んだ去年のSEKAI NO OWARIであり『Dragon Night』だった。そして、同じくアヴィーチーと組んだジョン・フェルドマンと組んだのがONE OK ROCKであり、この『35xxxv』だ。ここ2ヶ月で、ともに十万単位のアルバムを売った両バンドが2015年の国内バンドの顔役であることに最早異論の余地はないだろう。そして、アヴィーチーを巡るこの奇妙な符合はもちろん偶然ではない。2015年現在、日本はアヴィーチーの年なのかも知れない、という奇想はこんな風にして出来上がる。


 いやいや。一歩引いてみれば、符合は、一旦は偶然と言ってよい。まず、ワンオクとフェルドマンが組んだのは、アヴィーチーとフェルドマンが組むより前の、2013年の『人生×僕=』の制作時。それに、アヴィーチーのコラボレーターがほぼ無数と言えるほどに数多く存在することも、符合の要因だ。しかし、それでも、見方を変えれば、あのアヴィーチーと組めるほど実績を持ったプロデューサーとの協力を試みた、という点で両者は共通している。あるいはアヴィーチー級の成功が当面の目標という点でも、おそらく両者は共通しているだろう。そう考えて行けば、やはり符合は偶然ではない、と言いたくなる。音楽性は違えども、2010年代のメジャー・バンドらしい野心をセカオワとワンオクは共有しているのだ。


 さて、すっかり前置きが長くなったが、ONE OK ROCKの最新アルバム『35xxxv』は、前述したスタッフ・ワークから読み取った目論見とほぼ齟齬のない内容。世界(US)のメインストリーム音楽のエッセンスと、彼らのロック・ミュージックとの融合を前作より更に高いレベルで図った作品になっている。彼らの音楽性の一端が“ポスト・ハードコア”と呼ばれるものであることを踏まえて、筆者は本作を、2015年現在の“ポップ・コア”の世界基準と呼びたい。(ポップ・コアというジャンルは実は既にあるんだけど、ここでは一旦無視。)


 前段で筆者が“メインストリーム音楽のエッセンス”と呼んだものは大きく二つある。一つは2010年代以降、EDMとともに世界を席巻したダブ・ステップ風リズムやエフェクト。もう一つは、アーケード・ファイアやマムフォード・アンド・サンズといった“インディ”なミュージシャンが発端となり、近年ではイマジン・ドラゴンやファン(FUN.)といったグラミー級のロック・バンドの多くが採用している合唱風のコーラス・パートだ。両者とも、アルバムの実質的な1曲目にあたる「Take me to the top」から登場し、アルバムの方向性を明確にリスナーに印象づけている。


 前作でフェルドマンを起用した時点で、特に前者については既に彼らの構想にあったものだろう。ただ、前作では、一度レコーディングしたものをミックス段階でフェルドマンに投げる形をとったためか、本作ほどスムーズな融合には至ってないという印象が今となってはある。また、アルバム全体を通して、ギターを始めとした各楽器のソロが減り、よりサウンド全体で聴かせる方向にシフトしていることや、エレクトロニクスの導入が更に進んでいることも本作の特徴に挙げられるだろう。もしかすると、人によっては、前作にはまだあった、ある種の歪さへの愛着が忘れられないということもあるかも知れない。そう思うくらい、本作におけるONE OK ROCKはあらゆる面で洗練されている。(例えば、いい意味で素人っぽかった「69」のような曲は、本作には一曲も無い。)


 完成度という点では、バンド史上でも傑出した作品に仕上がった本作だが、その中でもアルバム全体で見ると、やはりシングル曲や先行曲のクオリティが際立つ。3曲目「Cry Out」にせよ、5曲目「Mighty Long Fall」にせよ、前述したプロダクション面での新要素をしっかりアピールしつつ、楽曲の構成も非常によく練られている。その2曲とは曲調は異なるけど、「Heartache」のいかにもプロの仕事、という構成美(2番からキック・ドラムをわざわざ入れているのに、続くサビでは一回外して、最後の大サビまでグラデーション的に盛り上げていく構成とか)も巧みで、ロック・バラードのアレンジ教本があれば是非採用したいところ。

 また、先行曲ではないが、「Suddenly」の構成も巧みだ。各々のリフやコーラスのメロディが曲の後半に向けて次第に活きてくる明快で機能的な仕掛けは、ドラマなんかでいうところの“伏線が回収される”ようなスポーティな感覚に唸らされる。軽快なギター・リフも良いし、もし次にシングルを切るならこの曲だな、と要らないことまで書いてしまおう。


 ただ、アルバムの真ん中に置かれた「Heartache」をピークに、後半はやや低調気味。ストレートにパンクっぽい曲やジャムっぽい曲など、バンドの持つ様々な側面を見せようという意図は分かる。分かるんだけど、例えるなら、もうばっちり味付けされて見た目も麗しいパスタや肉料理が続いたあとに、いきなり漬物とかおにぎりとか出されたような気分というか。もちろん、それはそれで美味しいと思う人もいるだろうけど、でも、俺まだまだ食えますよ?という感じ。スリーピング・ウィズ・サイレンスのケリンがゲストに参加したエレポップ風の「Paper Planes」は良いスパイスになっているが、それでも最後まで少々食い足りない印象が残った。

 これについては、アルバム通してまるまる集中して聴き込むより、前半は聴きこんで、最後はちょっとリラックス。みたいな気分で聴ければいい塩梅になるかも知れない。でも、やっぱり、もう一曲でもアルバムならではのエクストリームなトラックがあったら、もっとケタ違いの作品になったんじゃないかな、という気持ちもある。こちらの高望みを煽るアルバムなのだ。


 さて、ここ5年ほどは、日本のポップ音楽の独自進化(いわゆるガラパゴス化)が強調される一方で、リスナーの洋楽離れによる国内のポップ音楽マーケットの生態系の変化を不安視する向きが強まった時期であった。その中では、ガラパゴス化を奨励する声も聞かれたし、芸術としてのポップ・ミュージックという観点から言えば、それはそれで重要な意見だ。しかし、それでも、ワンオク、そしてセカオワという2バンドが積極的に海外の動きに目を向け、(ここが重要なのだが)バンド自身のサウンドを時代に合わせてしっかり更新し、大きな支持を得た事実を、今よりもう少しだけ重く捉えるべきタイミングが来ているのかも知れないと思うのは、多分僕だけではないだろう。『35xxxv』はその時を告げる笛だったのだ、と後々振り返られる作品になるかも知れない。


Text:佐藤優太

Billboard JAPAN|Daily News 2015年2月20日 13:00:00 更新

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