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志磨遼平を信用するな… メンバー脱退で1人になったドレスコーズが毛皮のマリーズ楽曲を披露

 昨年秋にリリースした作品をもってバンド編成での活動を終了させ、志磨遼平のソロプロジェクトとなったドレスコーズが、大阪、名古屋と巡ってきた【Tour 2015 “Don't Trust Ryohei Shima”】の最終公演を、1月26日に新木場studio COASTにて行った。




<1人になった志磨遼平が歌う、毛皮のマリーズ時代の代表曲>


 開演前の場内アナウンスは自ら“西”と名乗っていたが、これはかつて“西アメリカ”の名で活動していた越川和磨(THE STARBEMS、ex.毛皮のマリーズ)か。ステージには1本のマイクスタンドが立っていて、頭上より一筋のスポットライトが下りている。その先には、客席中央まで伸びる10mほどの花道。周囲を取り囲む客席は、みるみるうちに観客で埋まった。


 開演時間をやや過ぎて、無人のステージに黄土色のスリーピーススーツ姿で現れた志磨遼平(vo,g)が、担いでいた古いラジカセをドラムの前に置き、再生ボタンを押すとドラムの音が鳴り始めた。もう一度ステージ袖まで戻ると、今度は両手に1つずつラジカセをぶら下げて再登場し、それぞれステージ上へ。するとベース、ギターの音も加わり、場内から悲鳴のような歓声が上がった。“keep on バーニング さようなら友よ”と歌うその楽曲は、毛皮のマリーズ時代にロックキッズの心を刺した名曲「ジャーニー」だったのだ。




<ネタバレはほぼ皆無。封印を解いた理由は?>


 これまでドレスコーズでは毛皮のマリーズ時代の楽曲を演奏したことはなかったが、前週に行った大阪と名古屋公演後、今回の内容をネット等に書き込む“ネタバレ”はほとんどリークされなかったようだ。さらにスタンドからマイクをもぎ取り花道へ躍り出た志磨は、最新アルバム『1』収録の「この悪魔め」、毛皮のマリーズ時代の「人間不信」、翻って再び『1』収録曲と、自身の歴史を行き来するような選曲を続けていく。多分に感傷的で痛快なこの幕開けは、確かに前情報無く目の当たりにした方がライブをより楽しめただろう。


 また、この日のサポートミュージシャンは、おとぎ話から牛尾健太(g)と前越啓輔(dr)、toldやスズメーズの有島コレスケ(b)、そして志磨から“先生”と呼ばれ、アルバム『1』でも手腕を振るった名手 長谷川智樹(key)。そこに志磨を加えた5名が、毛皮のマリーズとも4人編成時代のドレスコーズとも異なるソロプロジェクトのサウンドで、かつてロックキッズに熱狂を届けてきた名曲を演奏し、歌う。


 それはまるで五肢に1つずつ傷を付け、痛みがないか確かめている作業のようにも思えた。しかし、時に大股を開いて手のひらを天に掲げ、時に無邪気な笑顔で歓声に応える志磨の姿を見ていると、このライブの目的が懐古的な物でも、縛りを解いたと伝えることでもないと考えを改めるようになってきた。




<“志磨遼平を信用するな”に最も相応しい1曲>


 終盤、インディーズ時代の毛皮のマリーズを代表するアンセムであると共に、当時の志磨遼平をそのまま象ったような名曲「ビューティフル」(YouTubeに公式MVあり)を披露する。さらに、メジャーデビュー後、志磨の中に生まれてきた音楽を具現化するため、メンバーではないサポートミュージシャンが大方の演奏を担当した独り善がりな名盤『ティン・パン・アレイ』収録の「愛のテーマ」を続ける。


 それらはファンが見てきた「ビューティフル」ではなく、かといって“新生”と冠されるような「愛のテーマ」ではない。当然、過去最高の瞬間ではなかったとも断言できる。そしてこれこそが1人に戻ったのではなく、1人を選んだ志磨遼平の現在のリアルな姿だ。




 アンコールでは、再び1人で登場した志磨が、4人時代の名曲「ゴッホ」を歌唱する一幕もあった。荒々しく暴れ回っていたドラムは単純な4つ打ちになり、うねるドライブ感が心地よかったベースもリズムに合わせたループに、金切り音を響かせていたギターは志磨が弾き語るアコギに代替される。ある種の残酷さすら覚えるそのアレンジは、“志磨遼平を信用するな”とした今回のツアータイトルに最も相応しかったと言えるだろう。


 最後は『1』でもラストを飾った「愛に気をつけてね」で客席にダイブ。投げ出された身体を支えようと伸びる無数を手を振り払うようにして、獣のような眼光で辺りを睨みつけながらステージを後にしたドレスコーズ=志磨遼平。4月1日には激動の2014年を収めたDVD『“1”year(仮)』がリリースされることも発表されている。




◎【Tour 2015 “Don't Trust Ryohei Shima”】
2015/01/25(日) at 新木場studio COAST
セットリスト:
01.ジャーニー
02.この悪魔め
03.人間不信
04.ルソー論
05.Lily
06.才能なんかいらない
07.みずいろ
08.ザ・フール
09.もうがまんはやだ
10.Ghost
11.妄想でバンドをやる(Band in my own head)
12.ビューティフル
13.愛のテーマ
14.あん・はっぴいえんど
15.スーパー、スーパーサッド


En1.ゴッホ
En2.愛に気をつけてね




◎DVD『“1”year(仮)』
2015/04/01 RELEASE
KIBM-502 3800円
本編:120分(予定)


Photo by HAJIME KAMIIISAKA

Billboard JAPAN|Daily News 2015年2月4日 18:45:00 更新

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