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10cc来日公演 磨き上げられたハイレベルなバンド・サウンドに酔いしれる夜

 解散した今もなお根強い人気を誇る英国イギリスのバンド、10ccが1月23日、ビルボードライブ東京にて来日公演を行った。


 1995年以来、丸20年ぶりとなる10ccの来日公演は、メンバー編成こそ99年以来のグレアム・グールドマン体制に変わっていたものの、10ccを名乗るに相応しい、むしろ20年前より磨き上げられた粋でマジカルなバンド・サウンドに心から酔わされた至福のライヴだった。


 何しろオープニングからして10ccの前身バンド、ホットレッグスの全英No.1ヒット曲「ネアンデルタール・マン」(1970年)を今風にアレンジした遊び心溢れるSEに乗ってメンバーが登場。一曲目の「ウォールストリート・シャッフル」でライヴが始まった瞬間、会場の空気が一変しキリッと引き締まったのは、全く雑味のないクリアなサウンドとシャープな演奏、コーラス・ハーモニーの完成度がとんでもなく素晴らしかったからで、近年の若手バンドの生ぬるい演奏に慣れていた耳に痛烈な先制パンチを見舞われた思いがした。


 そんな一曲目で観客の心を鷲掴みにした10ccは、「愛ゆえに」、「グッド・モーニング・ジャッジ」と畳み掛けるようにヒット曲を連発し会場を盛り上げていく鮮やかな手腕は、熟練のプロの技そのもの。ちょっと調べてみたら、この日演奏した全13曲中、全英トップ10ヒットはなんと11曲、その内3曲がNo.1に輝いているのだから、いかに素晴らしいポップ・ソングをたくさん生み出した特別なバンドだったかを改めて思い知らされたのは筆者だけではないだろう。


 観客席を見渡せば、70年代の洋楽を聴いて育ったと思しき年齢のカップルを中心に若い音楽ファンも少なくなく、超満員の観客で3階までギッシリ埋まった様は実に壮観だった。そしてよく見れば、多くの人がほぼ完璧に歌詞を覚えていて一緒に歌っており、そんなところにも10ccの曲が持つ訴求力の高さを再認識させられた。


 そんな10ccのライヴに於けるキーマンは、グレアム・グールドマンと共にメイン・ヴォーカルを担当しているバンドの中ではまだ若手のミック・ウィルソンで、歌いながらギター、パーカッションを完璧にこなすエリック・スチュワートの代役という以上のパフォーマンスが光っていた。もちろん他のメンバーも鉄壁の布陣で、70年代初期からサポート・メンバーだったポール・バージェス(Dr)、リック・フェン(G)の演奏も完璧で、レコードで耳馴染んだフレーズ、サウンドをそのままライヴで再現しているかのように感じたのも当然だろう。


 そしてこの夜の個人的なハイライトは、10ccを代表する名曲「アイム・ノット・イン・ラヴ」で聴かせた幻想的な歌世界はもちろんだが、最後にドゥワップ・グループよろしくアカペラで披露した10ccのデビュー曲「ドナ」で、そのハーモニーの美しさと懐かしさに熱いものがこみ上げてきたほど。こんなハイ・レベルなライヴを観せられては、また来年あたりの再来日を願わずにはいられない。


Photo: Masanori Naruse


Text: 保科好宏


◎10cc公演情報
ビルボードライブ東京
2015年1月23日(金)〜24日(土)
ビルボードライブ大阪
2015年1月21日(水)

Billboard JAPAN|Daily News 2015年1月26日 18:45:00 更新

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