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ART-SCHOOL【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016】嘘か、祈りか、慟哭か――太陽の似合わないバンドがそれでも白日の下に立つ訳

 茨城・国営ひたち海浜公園にて行われた【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016】の二日目、8月7日は猛暑だった。いくら日脚の遅いとはいえ、少しずつ日の翳りゆくのが自然の摂理であるが、夕刻になろうとほとんど気温は下がらない。太陽はむしろ最後の力を振り絞るかのように煌々と照り、その傾斜角度によって、昼間は影となっていた場所も束の間の光で埋まることになる。


<不死鳥のごときART-SCHOOL、二度とは来ないただ一つの夏>


 皮肉なものだ。15時30分ごろ、その名の通り新緑に囲まれた“SOUND OF FOREST”のステージは、一日の中でおそらく最も“物理的な”熱を帯びていた。そこへサウンドチェックのため姿を現したのが、いままで何度となく「太陽の似合わない男」と評されてきた木下理樹(vo,g)率いるART-SCHOOLだったのだ。のちに戸高賢史(g)も「こんなに炎天下の似合わないバンド」と発言することになるが、これにはオーディエンスからも笑い声が上がった。サポートメンバーである中尾憲太郎(b)と藤田勇(dr)の存在がかろうじて“夏っぽさ”を演出していたものの、楽器や音響の確認をかねて軽く演奏された「boy meets girl」「水の中のナイフ」などの楽曲含め、このバンドはいつも夏から浮いてしまう。そんな中、ニルヴァーナ「Smells Like Teen Spirit」のリフを少し気恥ずかしそうにかき鳴らした木下理樹は、「以上です。熱中症に気をつけてくださいね。暑い……」という言葉を残し、メンバーと共にひとまずステージ裏へと引き返していった。


 ART-SCHOOLは2000年にミニアルバム『SONIC DEAD KIDS』でインディーズデビュー。奇しくもそれは【ROCK IN JAPAN FESTIVAL】がスタートした年でもあった。それからART-SCHOOLは10回、木下理樹はDJアクトを含め11回(12ステージ)、国営ひたち海浜公園の地を踏んでいるが、その道のりは決して順調ではなかった。繰り返されるメンバーの脱退と加入、レーベルとの契約終了や移籍、そして2015年2月からは約一年に及んだ活動休止。それでもART-SCHOOLは幾度となく、泥だらけに、それこそ血まみれになろうと戻ってきた。今年2月には活動を本格的に再開させ、5月には自主レーベルよりアルバム『Hello darkness, my dear friend』をリリース。そして迎えた【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016】も、アルバムと同じく「android and I」で幕を開けることとなった。


<跪き、頭を垂れつつ、諦めきれずに息をして>


 破滅的にして牧歌的な1曲目の余韻を断ち切るような、「どうも、ART-SCHOOLです」という無愛想な挨拶に続いたのは、ダンサンブルなリズム隊と鋭角的なギターが目立つ「real love / slow down」。ライブ序盤、木下理樹は黒いサングラスで両目を覆ってはいたものの、逆光はなお鋭く、細い体に突き刺さる。だがそんな状況下にあっても、彼の口から放たれるのは「光を俺にくれよ」という切なる願いだった。盲目なのでも、鈍感なのでも、強欲なのでもない。木下理樹が切に求め続けるのは、俺と君、たった二人のためだけに射す淡い光芒なのだ。


 キャッチーなメロディが印象深い「Promised Land」でも、「君は僕の物 そう云えたら」という虚無が静かに叫ばれる。消えてしまった「いつか約束を交わした場所」、そしてもう叶うことはない「砂のようにこぼれた二人の夢」への憧憬。木下理樹は自らの体から汗を絞り取るように歌い続け、戸高賢史はまるで溶けゆく氷の鋭さを保とうとでもいわんばかりに、力強く、その冷たい旋律を紡いでいく。


 愛する人を失う悲しみ、人生に対する絶望、不安、諦め、焦燥――負の感情から生まれるART-SCHOOLの音楽は暗い。徹底的に暗い。もちろん彼らもステージに立てば、激しいパフォーマンスで会場を盛り上げ、オーディエンスを十分に楽しませるのだが、一度でもその世界に身を投じてしまうと、広がる闇の深さを思い知らされる。そうして初めて、この日は4番目の演奏曲となっていた「ロリータ キルズ ミー」の異質さにも気づくだろう。「こんな残酷な日」という嘆きと共に提示されるからこそ、生々しいほどの神妙を持つ希望的観測。半ば自棄であろうと、「明日も生きようと思った」「生きていける気がした」「美しく生きたいって誓った」という曖昧さにすがりつき、無様な姿を晒すこと。それに伴う痛々しいほどの美しさこそ、ART-SCHOOLが身をもって証明してきたものだった。


<疾走、そして疲れ果てたときにこそ見える光>


 「ロリータ キルズ ミー」の勢いは止まることなく、そこからはライブでの定番曲がこれでもかと畳み掛けられる。シンプル且つ特徴的なコードカッティングを軸に展開される「スカーレット」、4小節の中に組み込まれたベースの独特なフレーズが全編に渡って繰り返される「UNDER MY SKIN」、抑圧を感じさせるAメロから衝動が一気に膨らむサビへの流れが見事な「FADE TO BLACK」、そして最後に披露されたART-SCHOOLの代名詞ともいえる「あと10秒で」。ライブ序盤、木下理樹は「今日は激しい曲ばっかやるので……ついて来て……ついて来てね?」と少し不安げに投げかけていたが、最初から彼はその場にいた全員を無理やり連れて行こうと目論んでいたのかもしれない。そう感じてしまうほどの必死さと切迫感に満ちたライブを、猛暑の中、ART-SCHOOLはやり遂げたのだった。


 このバンドには太陽の似合う日など永遠に来ない。「FADE TO BLACK」の歌詞には「太陽になれなかった」ともある通り、彼らが太陽になれることもないだろう。だがそれでいい。傷つき、疲れ果てた人々が頭上に探すのは、激しく燃えたぎる太陽ではなく、暗闇の中で淡く光る星月だ。ART-SCHOOLは、希望的観測という名の希望を音楽として形作り、人々は、なにか希望があるだろうという希望的観測のもと、ART-SCHOOLの音楽を聴き続ける。そういう事実を自負しているからこそ、ART-SCHOOLは白日の下に立ち続けるのかもしれない。そうだ。しかと考えてみれば、この日は最初に歌われていたのだ。


 「多分これから どんな未来が 待っていたとして 何も恐れないから」


取材&テキスト:佐藤悠香




◎ART-SCHOOL【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016】セットリスト
1. android and i
2. real love / slow dawn
3. Promised Land
4. ロリータ キルズ ミー
5. スカーレット
6. UNDER MY SKIN
7. FADE TO BLACK
8. あと10秒で

Billboard JAPAN|Daily News 2016年8月15日 12:00:00 更新

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