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Raphael 華月の誕生日に解散発表「少年だった僕の夢は……今年の活動で終わりを迎えます」最終章へ

 華月(g)の17回忌、メンバー邂逅20周年(結成からは19年)という節目の年を迎えたヴィジュアル系ロックバンド Raphael。12年振りの復活ライブから早3年……4月7日 渋谷TSUTAYA O-EASTにてワンマンライブ【KAZUKI 17th memorial「蒼の邂逅」】を開催した。


<大きな決断を胸に……彼らの人生をそのまま体現したかのような185分>


 1990年代後半、YUKI(vo)、華月(g)、YUKITO(b)、HIRO(dr)の4人でヴィジュアル系ムーヴメントの波の中で戦い、2000年には日本武道館ワンマンまで辿り着き、その後もホールツアーを敢行する等、凄まじい勢いでスターダムへの階段を駆け上がっていたRaphael。しかし、ほとんどの楽曲を手掛けていたリーダーの華月が急逝。12年にもわたる活動休止期間へ入ることとなる。以降、Raphaelの存在は封印されたかのように思われたが、2012年、メンバーの意思によって復活。賛否両論も巻き起こる中、Zepp Tokyoで行われた2days公演は大成功を収め、これを機に華月の家族からYUKIがギターを託される等、止まっていたRaphaelの時間は再びゆっくりと動き出した。


 あれから3年。Raphaelのメンバーは大きな決断を胸に、4月7日 渋谷TSUTAYA O-EASTのステージに立ち、超満員のファンひとりひとりに向け、この上なく愛と誠意に溢れたライブを展開。彼らの人生をそのまま体現したかのような3時間強を過ごさせてくれた。


<「ギター歴5週間、櫻井有紀です」華月の愛用ギターを演奏>


 この日のライブは、O-EASTにしては珍しい二階建てのセットが組まれており、二階に設置されたドラムセットの隣には、華月が愛用してきたギターたちも。そこにあるアンプを通して彼のギター音源を流す場面もあり、さらにはゲストギタリストとして盟友であるANCHANG(SEX MACHINEGUNS)や咲人(ナイトメア)も登場と、華月の誕生日に相応しい豪華なキャスティングとなっていた。また、フロントマンであるYUKIは「どうだ、凄いだろう? 凄くギターが似合わないだろう?」「ギター歴5週間、櫻井有紀です」と笑いを誘いつつも、華月のギターを演奏しながら熱唱。「この時間は、共にRaphaelの音楽を愛す仲間同士だから、近くで転んだり苦しそうにしている人がいたら助け合ってもらいたいのね。だから隣同士グッと距離が縮まる儀式をやっておきたい。自分の右隣の人の手をスッと握ってみましょう。今から友情を紡ぐよ」と、笑顔の絶えないアットホームな空間作りに努めていた。


 その後も思い出深いRaphael歴代ナンバーを畳み掛けていく中、「華月が残した楽曲たちの可能性を見せたい」と“再演”がテーマだった3年前のライブとは違い、新たなアレンジを施して披露する楽曲も。みんなが愛したRaphaelの音楽はこんなにも可能性に満ちており、いかなる変化を遂げても素晴らしい楽曲として響くことを証明してみせる。


<「またこうやって曲紹介できる日が来るなんて夢みたい」>


 本編終盤に「lost graduation」を歌い終えたYUKIは、華月を「16歳ぐらいでこの曲を書いたんだよね。大した才能だと思う、本当に凄いなと思う」と絶賛しつつ、「ずーっと追いかけてるんだよね……。音楽を辞めちまいたいなと思うことのほうが多くて、苦しいことのほうが遥かに多いんだけど、本当にもうダメかもしれない、自分が自分を維持できないと思うほどギリギリなところで、いつも不思議とみんなとこうして会える機会に恵まれたり、結局は音楽、そして音楽を愛する人に救われるんだよね」と心情吐露。


 そして「ここからもっともっとこの楽曲たちを育んでいきましょう。みんなでもっともっと高めて、もっと素晴らしいものにしていきましょう。楽器は生き物だから弾いてあげることでその真価が問われる訳で……ずっとずっと迷って目を背けてきたもんで、思い立って覚悟を決めたのがつい5週間前だったから全然弾けないんだけど、それでももうギターから目を背けないで、今は不恰好でヘタクソだけど、そんなギターと向き合っていくステージを皆に見届けてもらいたいと思う。ツアーを廻り切る頃には今よりもまともになってると思うんだよ。全国各地に華月のギター達を連れていくから、応援よろしくお願いします」と告げ、華月のギターを胸に抱きながら「Raphaelとして一番最初に描いた作品を聴いてください。またこうやって曲紹介できる日が来るなんて夢みたい。届かぬ貴方へ贈ります。eternal wish」と、今ここに再びはじまりの曲を歌い奏でる。スクリーンには生前の華月がギターを奏でる姿、アンプからはその音色が響き渡り、YUKI、YUKITO、HIROが今奏でる音と歌と重なっていく。


<もしかしたら誰もこんな結末は望んでいないかもしれない。だけど……>


 そんな4人の人生が音楽と重なった同公演。アンコールでは、5月18日に新アルバム『Never -1997040719990429-』をリリースすること、5月23日〜ライヴハウスツアーを決行することが改めて告知され、さらに9月10日〜11日の1泊2日で【夏だ!天使だ!林間学校 -リターンズ- 】が苗場プリンスホテルにて実施されることも発表(http://amba.to/23wFMgZ)。そして最後は「夢より素敵な」で笑顔の大団円を迎えるのだが、ここから始まるすべてのプロジェクトに向け、どうしても伝えておかなければならないことがYUKITOの口から告げられた。それは、自分たちの心に決着をつける為の手紙。


 「ファンのみんなへ。僕は中学1年生のとき、プロのミュージシャンになりたいという夢を描きました。華月に出逢ったのは中学2年生のときで、「音楽でプロを目指している奴がいるから、紹介したい」と言われ、渋谷にある小さなリハーサルスタジオで待ち合わせをして、ブルーハーツの曲を演奏しました。それから数か月後、お互いが人生初となるライブを企画しましたが、華月が通っていた学校でチケットを売っていることが問題になってしまい、ライブを中止せざるを得なくなってしまいました。それをきっかけに華月とは一度離れ離れになったけど、僕がHIROにドラムを教えてもらいながら学校の文化祭でバンドコンテストに出演し、その後に華月はどこからともなく現れ、話しているうちにもう一度バンド活動をやることになりました。華月とメンバーを探すことになり、ちょうど僕がその頃毎日のように遊んでいた、誰よりも歌が上手いYUKIをボーカルに誘い、僕よりドラムが上手かったという理由でHIROをドラムに誘い、華月はギター、そして僕はベースという編成でRaphaelが誕生しました。


 そして、あっという間に、僕が中学1年生のときに描いた夢は10代のうちに叶ってしまいました。夢が叶うと、今度はまた新しい夢が生まれます。武道館でライブをやった。今度は東京ドームでやりたい。海外でもやってみたい。もっともっとたくさんの人たちに僕らの音楽を聴いてもらいたい。だけど、僕らの夢は大きくなるにつれて、一部の心無い大人たちによって歪んだ夢になっていきました。そして華月が天使になって、Raphaelは活動休止になって……あれから僕のRaphaelの夢は止まったまま。そしてその夢をひとときも忘れることが出来ず生きてきました。音楽を続けることが使命的なもののように、音楽を中心に生きてきました。だけど、Zepp Tokyoの“再演”を終えてから濃い霧のなかにいた自分の視界が少しずつ鮮明になっていくような感覚になりました。そしてあるとき「音楽を辞めよう」と思いました。それは雷が落ちるような突発的なものではなく、広い草原に横たわり上ってくる朝陽を浴びながら小鳥のさえずりで目が覚めるような、そんな穏やかな気持ちに近いかもしれません。


 そしたらふとYUKIに会いたくなって、連絡を取り合い会うことになって、音楽を辞める話をすると、YUKIは僕にこう言ってくれました。「自分が今こうして音楽をやってるのは、元々YUKITOがバンドに誘ってくれたからだよ。そのことはすごく感謝してる。YUKITOが音楽を辞めるなら最後にもう一度だけ俺たちの手でRaphaelを、最後にとびっきりお祭りをやらないか? YUKITOの最後の音楽活動を華やかな終焉にさせてほしい」僕はまさかそんな話をYUKIがしてくれるとは思っていませんでした。素直に嬉しいという気持ちと、ずっと引っ掛かっていた、“再演”のときも結局宙に浮いたままの“解散”という二文字をやっと言える日が来ることも僕にとって本当のケジメになると思い、「ぜひやろう」と返事をしました。すぐにYUKIからHIROに連絡してもらい、HIROからも了承を得て、今こうしてステージに立っています。少年だった僕の夢は……今年の活動で終わりを迎えます。それと同時に同じ夢を描いた4人が集まって結成されたバンド、Raphaelも終幕を迎えます。


 ファンのみんな、チームRのみんな、そして華月……ごめんね。僕の勝手な想いでRaphaelは終わってしまいます。もしかしたら誰もこんな結末は望んでいないかもしれない。だけど、みんなが「これもひとつの正解、答えだったんだ」って思ってもらえるように、Raphaelのベーシスト・YUKITOとして最後まで全力でやり切りたいと思います。だからどうか最後まで皆さん、温かく見守ってください! 華月、誕生日おめでとう。Raphaelという夢を今日も夢より素敵な夢にしてくれたファンのみんな、スタッフ、関係者の方々、今日ゲスト出演して頂いたANCHANG、咲人くん、メンバーのYUKI、HIRO、そして華月にお礼を言わせてください。みんな、本当に、本当にありがとうございました!」


<愛でしか紡ぎようがなかったRaphaelの20年間に対する誠意>
 
 涙を溢れさせながらも手紙を最後まで読み終えたYUKITO。客席にも当然泣きじゃくるファン多数。それらが、大好きなバンドをもう観れなくなってしまう悲しみの涙だったのか。ひとつの物語を終わらせる勇気への賞賛の涙だったのか。それこそ答えはひとつじゃないだろうが、誰がどう見ても愛でしか紡ぎようがなかったRaphaelの20年間に対する誠意は、YUKITOの手紙からはもちろん、この日のライブを司るすべて、そして、これからRaphael結成以降最も人間らしく繰り広げられるであろう、今後のプロジェクトすべてからも感じ取れるだろう。Raphaelを自分にもファンにも、そして華月にも恥じない存在へと辿り着かせる為の最終章=ファイナルミッション、ぜひとも最後まで見届けてほしい。


取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:外林健太


◎ライブ【Raphael KAZUKI 17th memorial「蒼の邂逅」】
04月07日(木)渋谷TSUTAYA O-EAST セットリスト:
SE.シナゴーグ前奏曲イ短調〜第一楽章〜
01.「…」〜或る季節の鎮魂歌〜
02.Sacrifice
03.Promise
04.さくら
05.小夜曲〜悲愴〜
06.花咲く命ある限り
07.Sweet Romance
08.人間不信
09.Gebet〜祈り〜
10.症状3.XXX症
11.エルフの憂鬱
12.展覧会の絵(Hiro Dr Solo)
13.窓際の夢
14.Dear
15.拝啓ナーバス
16.lost graduation
17.eternal wish 〜届かぬ君へ〜
Encore
18.秋風の狂詩曲(ラプソディ)
19.Evergreen
20.ハックルベリーの恋
21.夢より素敵な


◎ツアー【Raphael Live Tour 2016「癒し小屋」】
05月23日(月)横浜・Bay Hall
06月02日(木)名古屋・DIAMOND HALL
06月03日(金)名古屋・DIAMOND HALL
06月12日(日)札幌・PENNY LANE24
06月21日(火)大阪・BIG CAT
06月22日(水)大阪・BIG CAT
07月02日(土)仙台・CLUB JUNK BOX
07月03日(日)仙台・CLUB JUNK BOX
07月11日(月)赤坂BLITZ
07月12日(火)赤坂BLITZ
07月16日(土)広島・SECOND CRUCH
07月17日(日)広島・SECOND CRUCH
07月24日(日)福岡・DRUM LOGOS
チケット:1Fスタンディング 5,500円
チケットに関するお問い合わせ:
KMミュージック(045-201-9999)/info@raphael.jp

Billboard JAPAN|Daily News 2016年4月15日 12:00:00 更新

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