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大泉洋『アイアムアヒーロー』で国際映画祭参戦 ポルトガル爆笑&熱狂

 花沢健吾による同名の人気漫画を原作とし、『図書館戦争』『GANTZ』シリーズの佐藤信介が監督を務めた映画『アイアムアヒーロー』が、ポルトガル第二の都市ポルトにて開催されている【ファンタスポルト‐第36回ポルト国際映画祭】(2月26日〜3月5日)のコンペティション部門にて上映された。


 1981年から開催されている【ポルト国際映画祭】は、スペインの【シッチェス・カタロニア国際映画祭】、ベルギーの【ブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭】と並んで世界三大ファンタスティック映画祭の一つに数えられており、SF、ホラー、スリラー、サスペンスといったジャンルに定評がある映画祭。


 既に昨年10月に行われた【第48回シッチェス・カタロニア国際映画祭】では、クオリティと突き抜けた面白さが認められ、最優秀特殊効果賞と観客賞をW受賞している本作。2016年3月29日から行われる【ブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭】への出品も決まっており、この【ポルト国際映画祭】への参加はファンタスティック映画祭三大制覇がかかった重要な上映となった。


 3月1日(現地時間)の上映にあわせ、主演・大泉洋と監督・佐藤信介、原作者・花沢健吾は現地入り。上映に先駆け、ポルトの名所をいくつか巡った。ユネスコにより旧市街が世界遺産都市にも指定されている当街一番のランドマークであるドン・ルイス1世橋や、青を基調としたポルトガルのタイルで外壁を覆ったサント・イルデフォンソ教会、カルモ教会などを訪れた大泉は、「どこへ行っても雨か雪の私ですが、ポルトガルでは晴れ! 私が滞在している間だけ晴れています。ポルトが大好きになりました。映画祭は、釜山国際映画祭と上海国際映画祭に行ったことがありますが、ヨーロッパは初めてです。昨年シッチェス・カタロニア国際映画祭にて、『アイアムアヒーロー』が観客賞を受賞したことが自信になっています。お客さんの純粋な評価が反映される賞ですから。ポルトガルのお客さんの反応も楽しみです。世界三大ファンタスティック映画祭を制覇したい!」と、公式上映を前にした意気込みを語っていた。


 会場であるTEATRO MUNICIPAL RIVOLIにて23時過ぎから行われた上映には700人を超える観客がつめかけ、二階席まで満席に。隣国スペインの映画祭で受賞した評判を聞いて訪れたという人もおり、会場内は早くもボルテージが最高潮に高まった状態。客層も幅広く、10代、20代の男女から、【ポルト国際映画祭】に長年通っているという50代、60代の地元のお客さんまで、様々な映画ファンが集まっていた。


 上映前の舞台挨拶にて大泉はポルトガル語で、「皆さんこんばんは。私はクリスティアーノ・ロナウドです。 …すみません、嘘をつきました。私は大泉洋です」と挨拶し、会場は大爆笑に。場内から飛んだ「ディカプリオ!」という歓声にも瞬時に「オブリガード!(ありがとう)」と返すなど、ポルトガルでも変わらぬ大泉節をみせた。


 上映中は2時間余すところなく、常に爆笑と絶叫が会場中から聞かれ、少し目をそむけたくなるようなシーンではことさら拍手喝采が。特に劇中に登場する、謎の感染によって人間としての理性を失い狂暴化したZQN(ゾキュン)の動きや言葉には何度も笑いが起こり、大盛り上がりの上映となった。上映終了後は、一緒に映画を鑑賞していた大泉、監督、花沢にむけて、スタンディングオベーションが贈られた。


 3名はロビーでも、興奮冷めやらぬ様子の観客に熱狂的に迎えられ、握手やサインを求められてもみくちゃに。なかには、ヨーロッパで発売されている原作の漫画を持参しているファンの姿も。観客からは「アメイジング!」「すごい映画だった」「怖かったが笑えるシーンも多かった」など、まるでアトラクションに乗った後のような、映画の衝撃と興奮を直感的に表現するコメントが多く寄せられた。


 自他ともに認める雨男の大泉だが、ポルトガルでは到着とともに前日までの雨があがり、連日雲ひとつない青空が続いていた。しかしながら全ての取材が終わると、まるで待っていたかのように雨が降り出し、完璧なオチまでついたポルトガル滞在となった。


◎大泉洋コメント
何としてもポルトガルで笑いをとりたい、という気持ちで舞台挨拶に臨みました。そしてとても優しい笑いをいただきました。
会場の盛り上がりに、とにかく驚くと同時に、この映画の観方を教えてもらったように思います。『アイアムアヒーロー』はこんなに笑いながら観る映画だったのかと…。周りが笑うので僕も笑ってしまいました。ここまで完璧に受け入れられるとは思っていなかったので、これは自分の妄想で、目が覚めてしまうんじゃないか、と怖くもあります。
上映後は、映画では初めてスタンディングオベーションを経験しました。さらに、ロビーではサイン攻めにあって、次第におもしろくなってきてしまいました。自分がハリウッドのスターにでもなったような気分です。だんだん自分が今までどうやってサインを書いていたのか分からなくなってきて、最後の方はぐるぐるしたサインを書いていましたね。
世界に通用する映画だと思ってはいましたが、今日観客が熱狂する姿を見て、改めて確信しました。監督と花沢先生のお二人にはとても感謝しています。お中元を贈らなければいけないな…。「俺、どうなっちゃうんだろう? すごいことになっちゃうんじゃないか?」と少し怖いです。この熱狂ぶりをみると、受賞もありえるのではないか、と思えてきます。さらにもっと色々な国の方々にも観てもらいたいです。アメリカのアカデミー賞には間に合いませんか?


◎監督:佐藤信介コメント
ちょっとしたセリフや驚かせるポイントで、波のように反応があり、作り手としてとても感動しました。撮影は大変でしたが報われました。ファンタスティック映画祭に向いた作品を日本で作り、ファンタスティック映画を愛する、普段とは違う観客と接することができて嬉しかったです。


◎原作:花沢健吾コメント
漫画家は読者の直接的な反応を味わうことがなかなかないので、映画に変換されたことで反応を目にすることができてとても嬉しいです。「ありがたい」の一言です。上映後はサインをもとめる観客に囲まれ、ゾンビに襲われているような恐怖を少し感じました。お客さんの反応を見ると、映画の完成度の高さが、間違っていないと分かります。大泉さん、監督に感謝しています。


◎ポルト国際映画祭ディレクター:ベアトリス・パシェコ・ペレイラ コメント
『アイアムアヒーロー』は、演出も演技もシナリオのクオリティも高く、コメディの要素との掛け合わせについてもオリジナリティが高い、ということが選定理由のひとつです。良い映画というのは、いいストーリーといい演出がかみあっているものです。普通の人がスーパーヒーローになり、「アイアムアヒーロー」というタイトル通りにクライマックスに向け、うまく作られている。観客が主人公になったような気分で観ることができる作品だと思います。
大泉洋さんのことは、宮崎駿のアニメーションに声優として出演しているので、知っていました。私の個人的な意見ですが、これから決めるベストアクター賞の候補の一人になるのではないかと感じています。「普通の人」を演技することは、非常に難しい。その上で、普段と違った状況に出くわすという役柄です。時間軸の中で、演技にゆるやかな変化をつけていました。プロフェッショナルで芯のある役者だと思います。


(C)2016 映画「アイアムアヒーロー」製作委員会 (C)2009 花沢健吾/小学館

Billboard JAPAN|Daily News 2016年3月4日 20:04:00 更新

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